2011年3月

自分の本分を全うする

 あの大震災から10日以上が経ったけれども、その影響はまだ甚大である。被災地の状況はぶり返す寒さも追い討ちをかけ、精神的な疲れも出てきてさらに厳しい状況になっているものと思われる。震災直後の一種興奮状態から冷静に戻るにつれて、現実の厳しさを再認識しこれからの生活に絶望感を抱く人が多くならないことを祈るばかりである。「どうやって生活していけばいいのだろう・・・」「何のために生きるのだろう・・・」と途方に暮れることもあるかもしれないが、とにかく仲間と励ましあって希望を持って頑張って欲しいと切望する者である。

 

 私は今社員にも申し上げているのは、「自分の本分を全うしよう」ということである。つまり我々食品メーカーの人間であれば、自分たちが製造できる食品を供給することに最大限努める、ということである。正に国難というべきこの事態に臨んで、国民が一人一人自分が果たしうる役割を最大限努める、ということが基本ではないか、と思ってる。この3連休も何とかフル生産をしよう、と思って働きかけたがベストの結果が残せたか、というとまだ悔いが残る状態である。まずは私はこのはくばくの社長として社員の力を結集して、必要とされる食品を一つでも多く一刻でも早くお届けすることが自分の本分であると思っている。

 

 それにしても計画停電は製造メーカーにとっても非常に痛い。しかもこれが急に変更されることにも翻弄されている。本当にこの方法が日本経済にとってベストなのか?少なくとも4月末まではこういう状態が続く、ということらしいがもっと良い方法を取れないか、鋭意検討してもらいたいと思っている。おそらくこの方法は製造業にとっては非常に大きなロスをうみ、能力ダウン、コストアップにつながり経済力を大きくそぐ形になる、と危惧している。

 

 また世の中の「すべて自粛ムード」というのも行き過ぎは問題だと考えている。ムードに流されて安易に中止、延期など繰り返すことは日本経済に大きな悪影響を及ぼすと考える。震災の影響の少ない地域では慎みながらも通常の経済活動を行うことが結果としては被災地にも役に立つと思われる。そういう意味でも私は自分の本分を全うする、ということだと思っている。もちろん被災地の苦境に思いを馳せることはもちろん人として自然で大切なことだが、だからこそ逆に元気な自分たちが経済を回すつもりで頑張って消費をする、ということも必要だと思っている。外食産業、旅行産業などが苦境に陥ることは容易に想像できるが、こちらも皆で助け合うことも必要だ。

 

 まず自分の本分をしっかり全うする、ということを今は実行したいと思っている。

東日本大地震

 昨日14:46 私は東京駅八重洲で営業所長を集めて会議をしていました。ビルの5階だったのですが、「あ、地震だ」という声があってから、いつもなら収まるのに全然その気配がなく続き、しかもドンドン大きくなってくる。初めて地震を「怖い」と感じた経験でした。ビルの外に出るか、ここにとどまるべきか、全く判断がつかない自分がいました。結局営業マン達が自発的に階段を降り始めたために私もそれにつられるようにして外に出たのでした。

 外に出ると多くの人がビルから出てきていて、道路まではみ出ていました。見上げると多くのビルがグラングランと揺れている。正に初めての経験でした。皆不安そうな顔をして、ワンセグのTVで情報を集めていました。どうやら宮城沖が震源地で凄まじい地震があったらしい・・・ということがわかってきましたが、そのとき正直足元が覚束ないというか、フラフラするような頼りない自分がいました。こういうときに自分は全く無力なんだな、とちょっと情けない思いを持ちながら羽田空港に向かったのでした。

 その後、東京は本当に大混乱だったのですが、今朝からテレビを見るにつけこの程度の混乱など全く問題ない話だとわかりました。TVで繰り返し流される津波が街を飲み込む映像は信じがたい光景でした。容赦なく建物を壊し突き進む濁った水は、何か悪の意思を持った物凄いパワーのある物体が街を蹂躙するように見えました。こんなことが現実に起きるとは・・・・。そこに営まれていた平和な家族の幸せが一瞬にして奪われてしまうことを想像しました。きっと多くの人が命を失い、その人の関係者が深い悲しみを感じるであろうことを想像しました。

 今朝になってようやく当社の社員とその家族全員の無事が確認されました。宮城県名取市に家族を残して単身赴任している社員がいたので、それが一番心配だったのですが本当に良かったです。きっと家は大変なことになっているでしょうが、家族が無事であったことが何よりです。

 

 こういう天災が起きると必ず思うのは、人生のはかなさ、不条理です。なぜその場所で、なぜそういうタイミングでこの災害が起き、偶然に人が巻き込まれてしまうのだろうと。昨日までこんなことが起きるなんて全く思っていなかったのに。昨日までは明日からもずっとこの平和な幸せが続くであろうと疑いなく思っていたのに。でも起きてしまったことは紛れもない事実なのです。

 

 そしてこれもまたいつも思うのは、起きてしまったことは辛くとも受け入れるしかなく、そこから立ち上がるしかないということです。今回のこの天災がもたらす苦難は、我々日本人にとっても一丸となって乗り越えるべきものなのでしょう。被災地の方々に何が手伝えるのか、応援できるのか、自分達として出来ることをやらせてもらいたい、と思っています。本当に辛く厳しい現実が目の前にあり、呆然とする人が目に浮かびます。日本人として何ができるか、自分もささやかながら行動を起こしていきたいと思います。今回、亡くなられた方々のご冥福を心からお祈りすると共に、被災者の方々が一日も早くこの困難を乗り越えられることを重ねてお祈り申し上げます。

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プロフィール

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株式会社はくばく
代表取締役社長
長澤重俊

1966年ひのえうま生まれの45歳。
東京大学ラグビー部卒。(本当は経済学部)
住友商事を経て1992年はくばく入社。
趣味はゴルフとワインかな?
今年のヴァンフォーレ甲府がJ1で大活躍することを心から期待しています。