社長のお仕事

 折角年も改まったということなので、少し新年らしく真面目な文章を書いてみようと思いました。といってもスーパーも元旦から当たり前に営業しているし、年々正月気分というものが失われてきているような気がするのは私だけでしょうか・・・。それはさておき、本題。実は社内報の1月号でもちょっと触れたのですが、社長の仕事というのは、私は主に二つあると思っています。

 一つは企業として社会貢献でき、しかも勝てるフィールドを明確にして、武器を与えること。まずどんな場所で何を目指していくのか、これをはっきりとさせなければ始まらないと思っています。ただ頑張れ!、ではもちろん全く駄目ですし、そこで頑張れば勝てる、というフィールドで戦わねばただの消耗戦になってしまいますよね。当社は昨年4月に掲げた「The Kokumotsu Company」として、穀物の感動的価値を創造していくことが、社会に貢献する唯一の方法ですし、そこで頑張れば絶対に勝てる、と思っています。

 そしてもう一つ大事なことは、そのフィールドにおいて、社員の皆さんに如何に自分の気持ちとして「やったる!」と前向きに考えて、自主的に行動してもらえる環境、文化、モチベーションを作るか、ということです。いくら勝てるフィールドを社員の皆さんに提示しても、「へえ〜」ってな感じで、冷ややかな集団であれば絶対に勝てませんものね。むしろ難しいのは、こちらのほうだと痛感しています。

 社長にとって永遠のテーマである2番目の問題。これについてこの週末、もう少し考えが深まった気がしています。つまり私の役割として、このモチベーションをあげるための非常に重要な視点としてやはり「人を育てる」ということが大事なんだな、ということです。「そんなの当たり前!」と言わないでください。私もまだ今年で40歳、自分が成長するのに今まで精一杯で、人のことなんか構っていられるか!という気持ちがあったのです。無責任と言わないでくださいね。自分が今まで社長としてふさわしい人間になるために、一生懸命努力してきた、というのが背景であり、これは狭い意味での責任感だったと言い分けさせてください。

 でも社長になって4年が経とうとする今、そして「やっぱり私一人の力なんて無力なんだ。みんなに心から頑張ってもらうことのほうがよっぽど大切なんだ」と痛感している今だからこそ、こころから「人を育てる」ということが、自分の重要な仕事として位置づけられたのです。人を育てる為には、まずその人のことをよーく考えねばなりません。絶対に十把一からげのような一般論では片付けられない問題です。それぞれの人が、それぞれの強み、弱み、事情を抱えています。それをよーく理解し、その人にとって何を与え、何を考えてもらい、どうしてもらうことが成長につながるのか、こういう地味で大変な作業をやってこそ、人は育つのでしょう。結局そうやってその人を中心にどこまで考えてあげられるか、が勝負なのでしょう。

 私は今まで人は厳しい仕事を一生懸命やれば自然に育つ、などという非常に荒っぽい考えを持っていたようです。それはある意味では正しいのでしょうが、それだけでは不十分だという風に理解しています。その人間に心から成長してもらいたい、ということを考えれば、自ずとその人に沿ったサポートをしてあげられるようになるのでしょう。これが社長の器、ということになるのでしょうか。こういう仕事を今年は一人でも多くの社員にしてあげたい、と思った次第です。新年の社内報の風林火山にちなんだ企画「私の旗印」には、「社員皆が安心して自分の考え・行動を貫ける後ろ盾になること山の如し」と書きました。これもこういう思いと通じているな、と再確認した次第です。さあ、今年はちょっと違う年にするぞ。

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プロフィール

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株式会社はくばく
代表取締役社長
長澤重俊

1966年ひのえうま生まれの43歳。
東京大学ラグビー部卒。(本当は経済学部)
住友商事を経て1992年はくばく入社。
気合と体力で全国を駆け回っています。
ヴァンフォーレ甲府の躍進を心から期待しています。