増穂町文化会館

 わが町には14年前から増穂町文化会館という立派な音響効果を備えた建物があります。そしてここには歌舞伎はじめ、世界のトップレベルの演奏者が数多く訪れ、人口1万人3千人あまりの町には不釣合いな素晴らしい演奏会を地道に催し、評価を受けてきたのです。その会館が指定管理者制度へ移行する、というので、私ども「はくばく」もこの増穂に本拠地を構える企業としてお手伝いしたいと思って、その候補に名乗りを上げ、昨日そのプレゼンを町の委員さんたちにプレゼンをしてきました。

 そのプレゼンをしながら、私自身がわかってきたことがあったので、これを書いてみたいと思います。今回の大きなテーマである、芸術文化の振興、という言葉はきれいだけれど、なかなか実感のわかない言葉であります。でもいろいろと考えてみて、私は結局それは、「心の豊かさ」の問題だと思いました。そして心が豊かである、ということは、心が潤っていて、満たされていて、相手を思いやったり、助けてあげたりできることではないかと思ったのです。

 また美しいもの、本物に対しての感受性の高さも、心の豊かさにつながるものだと思います。つまりこの四季のはっきりした、植物も豊富な、美しい日本という国に住んで、その自然の美しさを素直に感じ取れる心、こういった心を田舎である増穂町で一人一人の心に育んでいくことが、文化芸術の振興の結果ではなかろうか、と思いました。素直に感動できる心、そしてこれを養っていく中で、他人をも感動させる人が育っていくのではないだろうかと考えました。

 今まで町民の間では「いくら上質な、本物の演奏者を連れてきても、結局他の町から大勢やってきているんじゃないか!町の税金を使ってけしからん!」という批判があったように思います。これは事実かもしれません。でもこの事実に対しての対策は何でしょう?演奏会のレベルを落とすことでしょうか?私は逆に「いかにそういう演奏会に来ていただく町民を増やしていけるか」ということが対策だと思うのです。そのために何をすべきか、これは簡単な話ではないけれど、あきらめた時点で、自分たちは文化的に低いのだ、ということを認めることになるのだとおもいます。

 地道に、でも着実にさまざまな方策を講じて、この増穂町に「本物の芸術・文化に感動を覚え、もっとそれに触れたいと思う人」を増やすことが非常にこれからの心の豊かさが求められる時代に必要だと思いました。もちろん多様なジャンルの芸術があって良いと思います。またレベルも入門編から、上級者編まであって良いと思います。また町内のさまざまな文化活動との連携も重要になってくるでしょう。とにかく、私はこの増穂に生まれ、増穂を拠点に事業を営む人間としてこの文化会館の火を絶やすことなく、ここを軸に心豊かな、人を思いやれる人間のあふれる増穂町にしていけるようにこの事業を何とかお手伝いしたいと、強く思ったのでした。

 「国家の品格」の著者である藤原正彦先生のおっしゃる「家族愛・郷土愛・国家愛」というところの、郷土愛なのでしょうかね。これだけ具体的に思ったのは、初めての経験で私自身がびっくりした昨日でした。さて、指定管理者はどの会社になるのでしょう?

 

 

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コメント

はじめまして。
突然のコメント失礼いたします。
今日、議員さんによる説明会でこちらのBlogのお話を聞き、遅ればせながらお邪魔してみました。

ホールの役割のひとつは「人を育てる」ことですよね。演奏者を育て、舞台スタッフを育て、なにより聴衆を育てます。「本物の芸術・文化に感動を覚え、もっとそれに触れたいと思う人」を増やす・・・すばらしいと思いました。人を育てなければ、文化は育ちません。
こんな考えの方が増穂町にいらっしゃったことを、とても嬉しく、また、心強く思いました。

選定の過程を知ることができなかった事が、残念でなりません・・・。

コメント本当にありがとうございます。
私も増穂町の一町民として、これからもこの文化会館を中心に増穂に「心豊かな人間」「素直に感動できる人間」が増えるように、微力ながら努力していきたいと思っております。
そして文化会館がどんな経営母体であれ、素晴らしい公演が今まで以上に行われることを切望しております。

始めまして。blogを読ませて頂きました。
私は増穂町民ではありません。
増穂文化会館を利用している甲府市民です。

地域活動の拠点としての役割に加え、国内外トップレベルの演奏者が訪れるこの文化ホールを好ましく思っていますし、世界的にも著名な演奏家が訪れるのは、文化会館スタッフの力の賜物だとも思っております。
町民の方々から見れば、様々な問題・批判があるかもしれませんが、ぜひぜひ文化を大切にする心を育てていって欲しいと願います。

山梨は芸術文化レベルの低い県だと言えます。
アートマネ-ジメントに関しても遅れているでしょう。

素晴らしい施設があっても、経営者が優れていても、そこに住む1人1人が、文化に価値を見出さなければ「箱物」になってしまうような気がします。

山梨に住む鑑賞者の1人として、芸術文化や施設に対し、どのように接していくべきなのか、考えさせれらました。

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プロフィール

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株式会社はくばく
代表取締役社長
長澤重俊

1966年ひのえうま生まれの43歳。
東京大学ラグビー部卒。(本当は経済学部)
住友商事を経て1992年はくばく入社。
気合と体力で全国を駆け回っています。
ヴァンフォーレ甲府の躍進を心から期待しています。