高原会長

 以前からトヨタ方式の指導をいただいている鈴村先生のご紹介で、昨日はユニチャームの創業者のお一人であり(高原慶一郎会長の実弟)、現在はユニチャームペットケア会長の高原利雄さんにお会いしてきました。さすが創業者!、という自分の実体験に裏打ちされた適切な指摘はドキッとする場面が多々ありました。

 五反田の本社でお会いするのは2回目なのですが、今回は時間もたっぷりいただき、経営とは?、と言うお話を中心に途中から食事もご一緒しながら4時間以上もお話を聞くことができました。1961年創業から44年余りで、ユニチャームをあれだけの会社にし、さらにペットケアにも進出して東証2部上場を果たされているその経営手腕とは?何が違うのだろう、という視点を持って聞いておりました。

 まず当然のことですが、「こうすれば絶対に1000億企業ができる!」なんて教えはありません。(そりゃ当たり前!)でも昨日の話でわかったことは一つあります。まず時代の変化を読んで、これから大きくなるであろうマーケットへ参入すること。しかし自分が苦手な分野では勝てないから、その前提として、自社の強みをはっきり認識してそれが通用するという条件を満たす市場へ思い切って参入することだ、と思いました。

 ユニチャームさんが参入して成功した市場は、生理用品にしても、紙オムツにしても、高いシェアを持った大手がいる小さな市場だったそうです。生理用品は当時20億円の市場をアンネが90%のシェアを持っていたと。それが現在では900億円の市場に成長し、ユニチャームさんは30%以上のシェアを持っている由。また紙オムツ市場は参入当時、P&Gというグローバルな優良企業が高いシェアを持つ35億円のマーケットだったそうです。それが現在は1500億円の市場に成長し、ユニチャームさんは50%以上のシェアを持っているということです。

 我々に置き換えて考えてみると、食品市場、特に主食の流れがどのように変化するのかを徹底的に考えねばならないと思いました。社会の変化、価値観の変化を受けて、日本人の主食はどのように変わっていくのだろうか?これを必死に考え、その変化の予想をしていくのが経営者として大きな仕事だな、と思いました。そして「それは間違いなく起きる!」という確信を持って、その大きなうねりというか、大きな市場の出現を見越した行動を思い切ってとるべきなのでしょう。

 そしてもう一つ、その変化に当社の強みは何だろうか?ということを明確にする、ということでしょう。大麦を半分に切ること、そこから出発して大麦を磨いたり、蒸したり、物理的加工技術はどの程度までその変化に対して生きてくるのでしょうか?その前に何が強みか、棚卸をしなければなりませんね。米穀店といった流通チャネルも強みになるかもしれません。昨日気づいたのは意外とこの自社の強みというのが、わかっているようでわかっていないなあ、と言う反省です。本当に何が強みなんでしょ。

 この2点を確認したうえで、やるべきことはマーケティングだ!と思いました。最近、社内でマーケティングと言う言葉を使っていなかったけれど、やっぱり「お客様に喜んでもらう」という価値観を実行に移す、ということはマーケティングだったなあ、と思い出しました。その同じ思いを共有して、一致団結して行動できる会社にしたいなあ、と思います。例えばもし仮に大麦がもっと食べられる世の中になるはずだ、という変化を予測したとしても、それはただ単に待っていても起きないでしょう。同じ流れの中で、大麦がどうしても必要という必然性はないからです。もしかすると雑穀がその流れで主流を成す可能性もあります。価値を伝えること、価値を創造することを、社員のみんなとマーケティングと言う活動に集中してやり続けることで、我々が予想する大きな市場が出来上がり、当社も大きなシェアが獲得できるのではないかと思いました。

 高原会長は良く「高い志」、とおっしゃいます。また「社長次第」ともおっしゃいます。さすが創業者は迫力が違うなあ、といろんな場面で思いました。今でも土日のうち、どちらかの半日は売り場で自社製品、他社製品をじっと観察し、それを社内にフィードバックするそうです。私自身が、上の二つの課題を真剣に考えた上で、もう一度ご指導してもらおうと思っています。「若くて良いなあ。もっとのめり込めよ。」とアドバイスをもらいました。そうだな、と思います。もっと必死に自分のやりたいことを追いかけねば、時間がもったいないな、と帰りの電車で感じた夜でした。

 

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プロフィール

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株式会社はくばく
代表取締役社長
長澤重俊

1966年ひのえうま生まれの43歳。
東京大学ラグビー部卒。(本当は経済学部)
住友商事を経て1992年はくばく入社。
気合と体力で全国を駆け回っています。
ヴァンフォーレ甲府の躍進を心から期待しています。